産業医面談の費用は誰が負担する?勤務時間・交通費の扱いも解説

産業医面談が必要になったとき、人事担当者が迷いやすいのが「面談費用は誰が負担するのか」「勤務時間として扱うのか」「産業医の交通費や追加料金はどうなるのか」という点です。

本記事では、面談の目的ごとに費用・賃金・交通費をどう整理するか、契約書で確認すべき項目、社内ルールの作り方を解説します。

  • 会社が業務として実施を求める面談は、費用・勤務時間の扱いを事前に整えることが重要です。
  • 産業医への支払いは、定例契約に含まれる範囲と、追加面談・緊急対応等の別料金を分けて確認します。
  • 社員負担の有無を曖昧にすると、受診抑制やトラブルの原因になります。

費用負担を考える基本軸

面談の類型費用・時間の考え方
会社が法令・安全配慮上実施する面談会社側で費用・勤務時間の扱いを整理し、本人に不利益が出ない運用を検討する
会社が産業医面談を指示・依頼するケース業務性が高いため、勤務時間・費用を会社負担とする設計が一般的
本人が任意に相談するケース相談窓口としての利用条件、時間扱い、費用を社内規程で明確にする
主治医受診・診断書取得受診目的や就業規則により扱いが異なるため、会社指定受診との区別も整理する

産業医側に発生しやすい費用

項目契約確認ポイント
月額顧問料定例訪問、衛生委員会、通常相談がどこまで含まれるか
追加面談料面談件数、時間、オンライン・対面での単価
緊急対応料当日対応、夜間・休日対応、意見書作成の有無
交通費訪問交通費、遠方拠点への出張費、駐車場代
書類作成料意見書、報告書、復職判定、就業判定の追加料金
研修・職場巡視標準契約内か、スポット対応か

勤務時間・賃金の扱いを決める手順

  1. 面談が会社の指示・制度運用として必要か、本人任意の相談かを区別する。
  2. 就業規則、産業医契約、社内規程に既存ルールがあるか確認する。
  3. 対面・オンライン、勤務中・勤務外、移動の有無を整理する。
  4. 賃金、交通費、欠勤・遅刻扱い、残業との関係を明確にする。
  5. 対象者に案内する文面へ、費用負担と勤務時間の扱いを明記する。

契約書・社内規程で決めておく項目

  • 定例訪問に含まれる面談件数・時間
  • 追加面談、緊急面談、意見書作成の単価
  • オンライン面談の可否、通信環境、本人確認、プライバシー
  • 交通費・出張費の算定方法
  • キャンセル料、日程変更の期限
  • 社員側の勤務時間・賃金・交通費の扱い
  • 健康情報の取扱いと記録管理

避けたい運用

  • 会社が面談を求めながら、社員に費用や有給休暇取得を求める
  • 契約範囲を確認せず、追加請求のたびに判断がぶれる
  • 面談の目的を伝えず、社員が人事評価目的と誤解する
  • 交通費・移動時間の扱いを決めず、拠点間で運用が異なる

よくある質問

Q. 産業医面談の費用を社員に請求してもよいですか?

面談の目的、会社の指示性、就業規則等によって整理が必要です。健康確保のために会社が実施する面談は、社員の利用を妨げない運用が望まれます。

Q. 面談は勤務時間中に行うべきですか?

業務として実施する面談であれば、勤務時間中に設定することが基本的な考え方になります。事業運営上の事情がある場合も、本人に不利益が生じないよう配慮が必要です。

Q. 交通費は誰が負担しますか?

社員が会社指定の面談場所へ移動する場合、産業医が別拠点へ訪問する場合など、ケースごとに事前の規程・契約で定めておくことが重要です。

根拠法令・参考資料

  • 労働安全衛生法、労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
  • 厚生労働省「職場における労働者の健康確保のために」
  • 厚生労働省・都道府県労働局の産業保健、長時間労働者面接指導に関する案内
  • 個人情報保護委員会「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」

産業保健体制の整備でお困りの企業様へ
産業医の選任、長時間労働者対応、衛生委員会の運営、健康情報の取扱いは、制度だけでなく自社の実態に合わせた運用設計が重要です。契約範囲や社内体制を整理したうえで、必要な支援をご検討ください。

関連記事